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【技能実習】Q5:宿泊施設の寝室に設ける個人別の私有物収納設備はどのようなものですか?

宿泊施設

 古い技能実習運用要領を使っていると、『個人別の私有物の収納設備』としか書いていませんが、最新の要領を見ると次のような説明があります。 

※ 「私有物収納設備」については、プライバシーの確保や盗難防止の観点から、身の回りの品を収納できる一定の容量があり、かつ、施錠可能で持出不可なものであることが必要です(個人別に施錠可能な部屋である場合を除く。)。

「施錠可能」について、収納設備に施錠機能がない場合には、南京錠やチェーンロックなどにより施錠機能を施してください。

また、「持出不可」について、収納設備が建物に備え付けられていない場合、防犯ワイヤー等で建物に固定してください。

単に押し入れの中を技能実習生ごとに区分けしたり、個人ごとの収納ボックスを付与したのみでは、私有物収納設備とは認められません。

なお、鍵については、当該私有物収納設備等を使用する技能実習生自身に管理させなければなりません。

 私有物収納設備の要件として

    ○身の回りの品を収納できる一定の容量

    ○施錠可能で持出不可なもの

の2つが示されています。

 入国するときに持ってきた旅行鞄で代用していいのではないかと思いましたが、個人の鞄は宿泊施設の設備には該当しないと認められませんでした。

 『身の回りの品』と『一定の容量』については、要領にも具体的な記載がありませんので、実態に応じて自分たちで考えろということだと思います。

 参考とするのは、この部分の出典となっていると思われる『事業場附属寄宿舎規程』と『建設業附属寄宿舎規程』です。 

<事業場附属寄宿舎規程第19条第4号>

 各室には、寝具等を収納するための適当な設備を設け、このうち寄宿舎に寄宿する労働者の私有の身廻品を収納するための設備は、個人別のものとすること。 

 この部分の解釈では

”『身廻品』とは、労働者が自己の身につける物品の意であり、衣装はもとより帽子、履き物、ハンドバッグ、装飾品等が含まれるが、ミシン、タンス、書籍等は含まれないこと。又労働者の身廻品を収納するための設備を『個人別のものとする』とは、労働者の私有の身廻品を他の労働者のものと区別して収納できるようになっているものであること”(昭30.2.25 基発104号)”

とあります。

 

<建設業附属寄宿舎規程第16条第8号>

各室には、十分な容積を有し、かつ、施錠可能な身の回り品を収納するための設備を個人別に設けること。

この部分の解釈では

”身の回り品の収納設備について、『十分な容積』とは、通常、労働者が建設工事現場等で労働し、寄宿舎において生活を行っていくために必要となる衣服、日用品等が収納できる程度の容積をいうものであるが、寄宿生活の実態に応じて判断されるべきものであること”(平6.9.28 基発595号)”

とあります。

 要領にある『身の回りの品』は技能実習生が身につける物品、日用品等所有する物品と考えればいいようです。

 用意すべき収容量ですが、建設業附属寄宿舎規程では『十分な容積』とし、衣服、日用品等が収納できる程度の量としていますが、技能実習制度運用要領では『一定の容量』とされているため、『プライバシーの確保』『盗難防止』から収容量を考えます。

 盗難防止で考えるのは、

    ○パスポート

    ○マイナンバーカード

    ○健康保険証

    ○預金通帳

    ○印鑑

    ○キャッシュカード、クレジットカード

    ○価値のある装飾品

 などでしょうか。在留カードは携帯義務があるので、宿泊施設に置きっ放しはダメです。

 プライバシーの確保の点では手紙や本人控え書類などが考えられますが、他人に見られたくないと思う物はまちまちでしょう。

 上記のものが収容できる程度のもので、寝室が狭くならない程度のサイズのものを選べばいいでしょう。

 技能実習生には、大切な物は自分でしっかり管理させることです。技能実習制度では、実習実施者が善意でパスポート等を預かっても、厳しい処分を受けることになりますので気をつけましょう。

 

<参考>

 この保管庫ですが、『身の回りの品を収納できる一定の容量』、『施錠可能で持出不可なもの』をクリアしていれば、寝室の外に設置していても、技能実習機構からは寝室に置かなければダメとまでは言われません。鍵付のロッカーを

宿泊施設の邪魔にならない場所に設置したほうが、寝室は快適になるのではないでしょうか

↓こんなのを渡して帰国時に持って行かれた実習実施者もいました(笑)

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