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【技能実習】Q103:監理団体職員の賃金支払が遅れた場合はどうなりますか?

監理団体

 今回は、監理団体職員の賃金支払が遅れた場合はどうなるのかという疑問にお答えしたいと思います。

監理団体職員の賃金支払が遅れた場合のリスク

 監理団体は、技能実習生の監理を適切に行うために、健全な財産的基礎を有していることが許可条件になっています。そのため、賃金支払が遅れることは事務手続きのミス以外は考えられないはずです。

 しかしながら、払えない事態が発生してしまった場合は、賃金が支払日に払わなかったということで労働基準法違反となります。労働基準法違反は、技能実習法の許可の取消要件である「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき」に該当し、場合によっては許可の取消となる場合があります。

確実に取消になるケース

 賃金支払が遅れが続いたり、不払いとなっているような場合で労働基準監督署が悪質だと考えて書類送検し、罰金刑が確定した場合は技能実習法に基づいて許可の取消処分は確実に行われます。

著しく不当な行為

 今のところ技能実習制度運用要領で示されているのは、罰金刑以外の労働基準関係法令で送検され、かつ、刑罰が確定された者とされています。

改善命令

 機構や主務大臣による調査等によって、技能実習法、出入国又は労働に関する法令等に違反していることが判明したときであって、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、主務大臣が改善命令を行う場合があります。

 機構による監理団体の実地検査時に職員に対する賃金支払が遅れている事実が判明した場合は、改善命令となる可能性があります。

 改善命令を受けると、優良要件クリアが難しくなってしまい、第3号技能実習の監理ができなくなってしまう可能性があります。

まとめ

 今までは、機構の実地検査において監理団体職員に関する労働関係法令の違反までは確認されなかったと思います。しかしながら、機構の定員が充実してきた今後も同じとは限りません。

 労働関係法令違反は改善命令のリスクがありますので、問題があるけど改善を後回しにしている場合は早期の改善が必要となってきています。

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