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【技能実習】ニュースの解説:労働基準監督署が愛知の食品会社を指導~技能実習生の住居に問題

ニュース

ニュースの概要

○愛知県内の食品工場に勤務する外国人技能実習生の居住環境に問題があるとして、労働基準監督署が7月に改善指導していたことが分かった。
○労基署が調査したところ、女性を含む3人が、勤務時間が異なるのに一つの部屋で寝泊まりを余儀なくされていた実態が判明した。

○外国人技能実習機構が実地検査したことも判明した。

○食品工場は総菜などを製造しており、大手企業と取引がある。

解説

労基署の指導内容をみると、労基署が居住環境に問題といっているということは、宿泊施設は個人の住居ではなく事業場附属寄宿舎と認定したということです。

寄宿舎かどうかについては前に説明しています。

事業場附属寄宿舎規程に違反しているとしての指導があったということになります。

○労基署が調査したところ、女性を含む3人が、勤務時間が異なるのに一つの部屋で寝泊まりを余儀なくされていた実態が判明した。

この部分は、不正確な記事だと思います。正確には勤務時間ではなく「就眠時間」ということだと思います。

事業場附属寄宿舎規程は次のようになっています

第21条 就眠時間を異にする二組以上の労働者を同一の寝室に寄宿させてはならない。但し、交替の際、睡眠を妨げないよう適当な方法を講じた場合には、この限りでない。

交替制勤務により、就眠時間が異なる3名の労働者を同一の寝室に寄宿させていたということを労基署に指導されたということですね。

このことは技能実習制度運用要領の宿泊施設にも定めがあります。

○ 実習実施者又は監理団体は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。基本方針(第3章第7節)において、実習実施者は、技能実習生が健康で快適な実習生活を送れるようにするため、快適な住環境を確保するとされており、これを踏まえ、適切な宿泊施設を確保してください。新型コロナウイルス感染症の感染を防止するため、宿泊施設においても3つの密(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)を避けることができるよう、必要な対応を行ってください。また、下記の事項が確認できることが必要です。

⑤ 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること

機構が何を指導したのか記事にはありませんが、この部分は少なくとも指導しているはずですが、これって認定申請の時に把握できてなかったのであれば、図面等の添付を求めなくなったことが失敗なのではないかと思います。

このことも前に説明しています

おまけ

技能実習制度運用要領では、技能実習生が深夜労働を行うことについて、技能実習が、技能等の修得等を目的として行われる以上、技能実習を行わせる合理的な理由がない限り、実習生の年齢にかかわらず、原則として行われることが想定されていないとされています。

ただし、技能実習計画において、交替制により深夜労働を行わせるにあたり、合理的な理由がある場合に限っては、申請が認められる余地はあるとされています。

これは日本人労働者も含めて交替制で勤務している場合に、技能実習生だけ夜勤免除という訳にはいかないので、認めることもありますよということだと思っていました。

今回の件からみると、深夜業務があるからといって、機構は特に厳しく審査していたわけではなさそうです。

このようなことが報道されると、今後の審査は実地調査されるような厳しいものとなるかもしれません。

 

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