回答
残業手当分に限らず、技能実習生の承諾があったとしても賃金の一部を所定支払日に払わないと賃金不払として労働基準法違反となりますので、そのような制度を運用することはできません。
善意と悪意
賃金の一部を預かる制度を作ると積立貯金制度のようにより多くの金銭を自国に持ち帰ることができるようになる良い制度になるかもしれません。きっと善意をもって行うとそうなるでしょう。
ただ、そのような賃金を自由に使う権利の一部制限を認めてしまうと「帰国時に返さないぞ」と直接脅す場合だけはでなく、預かり金があるということ自体で言うことに逆らえない意識を持たせるようにしたり、悪意をもって人権侵害に利用することも可能になるのです。
悪用できる制度は悪用した者を罰する必要があるため、その存在が悪となるのです。
失踪防止
失踪防止の手段として賃金の一部預かりを考えているとしたら、それは絶対に行ってはいけません。
たしかに技能実習生の失踪については社会問題になりつつあります。だからといって問題ある手法をとってまで防止するようにとは主務省庁も外国人技能実習機構も求めていません。それどころか人権侵害等は確実に認定取消等の処分になると思います。
失踪しても技能実習生にとって何もいいことがないのは間違いないです。正規の在留資格を失った者が日本国内で技能実習時代よりも金銭を稼げるはずがないからです。
義の実習中にSNSや知り合いを通じて甘い言葉の誘惑が多くあります。そんな言葉に欺されないでしっかりと日本で働らき、日本文化に触れた方が将来に役立つということを生活指導を通じて繰り返し教えていくことにより失踪防止をしていかなければなりません。
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