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【技能実習】Q35:「畜産農業職種」での災害防止のポイントは?

安全衛生

  回答

災害防止のポイントは耕種農業と共通しているところがありますので、まずそちらをご覧ください。

ここでは、畜産農業の「実習計画モデル例」の「使用する機械・器具等」にある特に注意すべき機械について取り上げます。

畜産農業で注意すべき農業機械

1 バックホー

2 ショベルローダ(フォークローダ)

3 フォークリフト

検討すべき事故の種類

○機械の転落・転倒(道から、圃場から)

○機械への接触

○ひかれ

○挟まれ

○機械からの墜落・転落

○用途外の使用

災害防止のポイント

1 バックホー

バックホー、ドラグショベル、ユンボなどと呼ばれている掘削機械です。機体重量が3t以上のものを運転して作業をするには、車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込・掘削)修了が必要となる機械です。毎年全国で死亡事故が発生している大変危険な機械です。

農業従事者では以下の点について勘違いしていることが多いです。

Q:自分の土地で使うのに資格は必要ないのでは?

A:1名でも労働者を雇っていれば必要です

Q:事業主が使うだけならいいのでは?

A:労働者に危険があるのでダメです

Q:車検とってれば他に点検いらないのでは?

A:作業開始前、月例点検、年次点検が必要です

法定遵守事項

○有資格者が使用する


○作業計画を作る


○制限速度を守る

○路肩などからの転落防止


○シートベルト

○作業範囲内立ち入り禁止の徹底(立ち入らせる場合は誘導者)


○運転席から離れるときはバケットを地面に下ろし、エンジンを切って、ブレーキをかける


○乗車席以外の箇所に労働者を乗せてはない


○つり上げなど用途外で使用しない


○作業開始前、月例、年次点検を行う

2 ショベルローダ(フォークローダ)

ショベルローダと言われているものには2種類あって、一般的に不特定な場所を走行できる4輪駆動のものであれば、バックホーと同じ車両系建設機械になります。

2輪駆動のものは荷役運搬機械に該当しますが、これもショベルローダー等運転技能講習の修了が必要になります。遵守事項は車両系建設機械と大体同じです。

法定遵守事項

○有資格者が使用する


○作業計画を作る


○作業指揮者に指揮させる


○制限速度を守る

○路肩などからの転落防止

○作業範囲内立ち入り禁止の徹底(立ち入らせる場合は誘導者)

○運転席から離れるときはバケットを地面に下ろし、エンジンを切って、ブレーキをかける

○乗車席以外の箇所に労働者を乗せてはない

○つり上げなど用途外で使用しない


○荷の積載時視野の確保、偏荷重や過積載禁止

○作業開始前、月例、年次点検を行う

3 フォークリフト

フォークリフトも死亡事故が多い機械です。これもフォークリフト運転技能講習の修了が必要になります。

特に注意が必要なのは用途外の使用で

人を乗せて昇降台の代わりにする

これは絶対に禁止すべき作業です。

また、転倒したときに体が投げ出されてヘッドガードの下敷きになることも多いので、シートベルトは必ず装着すべきです。

法定遵守事項はフォークリフトも荷役運搬機械なので、法定遵守事項はショベルローダーとほぼ同じです。

技能実習では

技能実習生に技能講習を実施できる講習機関はそう多くはありませんが、作業資格が必要な機械を運転させるには必ず必要な資格です。

作業資格は危険なポイントや法律を理解するまで時間を掛けて教えるためにあります。

過去に事故を起こしたことがないという経験を過信せずに、しっかりと作業を計画し悲惨な事故を防ぎましょう。

また、技能実習生が運転しなくても、機械の運転席からの死角とか運行経路など、しっかりと教えることも災害防止には重要です。

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