技能実習生の時間外労働(残業)はどうする?

労働条件

 技能実習生に残業を行わせることは想定されていません

でも、安心してください。行わせることは違法ではありません

 

 どういうことかはこれから説明します。

 まず、技能実習制度運用要領に次のような記載があります

” 時間外労働や休日労働、深夜労働については、技能実習が、技能等の修得等を目的として行われる以上、技能実習を行わせる合理的な理由がない限り、原則として行われることが想定されていないものです。”

 なぜかというと、技能実習は労働が目的では無く技能の習得、習熟、熟達なので、

『技能実習計画に定める内容を教えるには時間が足りない』

などの合理的な理由がある場合にだけ認められるという考え方をしています。学校の補習的な位置づけです。
 
 続けて要領には次のように続きます

” なお、やむを得ない業務上の事情等により、時間外労働等を行う必要が有る場合には、労働関係法令を遵守して行うことはもとより、時間外労働等を行わせている場合において、当該時間外労働等が技能等の修得等の活動の一環として行われ、技能実習生に対する技能等の修得等に係る指導が可能な体制が構築されていることが必要となります。”

 『行わせてもいいよ』とは名言していませんが、条件を付けつつ行わせることを認めていると読み取れます
 
 大臣告示である技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する基本方針』でも次のような記載があります。
 

” 技能実習技能実習を行わせる環境を確保するため、技能実習生については、適正に労働時間の管理を行う必要がある。技能実習の一環としてやむを得ず時間外労働や休日労働を技能実習生に行わせる場合には、労使協定の締結、割増賃金の支払等の労働関係法令で定める手続にのっとって行い、違反が行われることがないようにする必要がある。この場合においても、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護の観点から、恒常的な長時間労働とならないようにすべきである。”

 

 労働関係法令を遵守している限り、残業を行わせていても問題とされないというように読み取れます。

 長時間労働はどのような水準かを最後に書いておきます。一般的な36協定の上限の範囲と考えておけばよいです。

” 月45 時間、年360 時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720 時間、単月100 時間未満(休日労働含む。)”

 
 
 
労働条件
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