回答
有給休暇は日単位で付与され、取得することが原則とされていましたが、平成22年4月1日施行の労働基準法の改正により、労使協定を締結すれば、年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることができるようになりました。
労使協定と聞くと面倒な手続きという印象がありますが、これはトラブルにならないようにあらかじめ決めておきましょうという協定なので、そんなに難しくありません。
労使協定で決める内容
1 対象者
2 日数の上限
3 1日分の有給休暇に相当する時間単位年休
4 取得単位
以上の4つを決めるための協定です。
1 対象者
対象となる労働者の範囲を定めます。
「すべての従業員を対象とする」
と決めるのが普通でが、事業の正常な運営を妨げる業務に従事している労働者を対象外とすることもできます。
2 日数の上限
5日以内の範囲で定めます。
たとえ前年度からの繰越しがある場合であっても、繰り越し分も含めて5日分以内となります。
3 1日分の有給休暇に相当する時間単位年休
ここはしっかり決めておかないとトラブルになります。
例えば、
「年次有給休暇を時間単位で取得する場合は、1日の年次有給休暇に相当する時間数を8時間とする。」
とだけ決めてしまった場合、1日4時間勤務の人は時間単位で請求すれば1日分で2日休めることになってしまいます。
不公平がないように労働者の所定時間に応じてグループ化して定めておくことです。
1日の所定労働時間が「7時間30分」など、1時間に満たない時間数の場合は、労働者にとって不利益とならなないように「8時間」と時間に満たない端数がある場合は時間単位に切り上げて決めます。
日によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間における1日平均所定労働時間数によって決めます。
4 取得単位
1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数を記入します(2時間、3時間など)。
ただし、1日の所定労働時間を上回ることはできません。
普通は
「年次有給休暇を時間単位で取得する場合は、1時間単位で取得するものとする」
と定めます。
その他
就業規則を作成している実習実施者は、年次有給休暇の部分を時間単位取得に応じて変更し、届出も必要です。
「モデル就業規則」と「労使協定例」はリンクを参考にしてください
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