有識者会議最終報告の感想 3

新制度関係

感想

 現在は12ある「特定産業分野」が今後どのようになるのかに注目しています。現状維持となるのか、縮小するのか、それとも拡大するのかです。

 業種としての問題点としては、建設業の技能実習ではアパートの一室を事務所としているような企業まで受け入れ可能となっている問題があります。請負といいつつも、実際は作業請という相手の企業の指示の下に仕事をしているような企業のことです。本来の制度目的から考えると、少なくとも元請としての施工を行っているような規模の会社でなければ、自社としての人材育成もできないと思いますので、新制度では改善してほしいところです。
 また、「縫製業」は業界の自浄作用で人権侵害を防止することができなかったことから、新制度の業種とすべきではないと思っています。もし、「特定産業分野」とするのであれば、特定技能所属機関が健全な財務状況であることの事前確認をする、国際フェアトレード基準の遵守を確認する等により、悪い企業を排除する仕組を考えなければならないと思います。

 技能修得状況は試験で評価するとしている点について、受験料が高額であったり、試験のお手伝いをしなければならなかったり、希望の時期に実施できなかったりする問題が解決できるのかという問題があると思います。また、そもそも1年掛けなくても受かる試験を受けさせている問題もあります。職種が分野に変わるんでそのあたりも再編して解決してほしいところです。

 農業・漁業については季節性のある受入れ・勤務形態も認める方向はいいと思いますが、帰国する費用が本人持ちであれば、新しい制度にその分野を選択しなくなるのではないかと思います。技能実習のように新しい制度でも、自国での業務経験を必要とするのでしょうか。それとも、季節によって日本全国を移動して複数の企業で働くようにするのでしょうか。新制度の注目ポイントの一つです