監理団体の問題点

監理団体

 監理団体の問題点として、公式に指摘した資料としては

 が見つかりました。この中で、

 監理団体が商工会議所・商工会、中小企業団体等である場合には、実習実施機関がその会員や組合員であることが要件となっているなど、監理団体にとって実習実施機関は運営財源である組合費等の拠出元であり、一定の利害関係がある。

 監理団体の監査に関しては、①実習実施機関が不正行為認定や是正勧告の原因となる行為を行った時期に係る監査結果報告が地方入国管理局に対して行われたか否か確認できない、②実習実施機関に対して不正行為認定や是正勧告が行われた原因となった行為について指摘がなされてないという状況がみられた。

    などの指摘がなされています。

       最近の厚生労働省のHP

には

l  送出機関との不適切な関係についての注意喚起

l  監 理 団 体 に よ る 技 能 実 習 計 画 の 作 成 指 導 及 び 監 査 等 に お け る 留 意 点 に つい て ( 技 能 実 習 計 画 齟 齬 )

が掲載されています。

また、監理団体の種類では下表のとおり、問題のほとんどが事業協同組合で不正行為が確認されています。

                                       《平成29年の「不正行為」について(平成30年2月入国管理局発表)》

事業協同組合は、相互扶助の精神に基づいて、新技術・製品開発、市場開拓、共同生産・販売等の事業を共同で行うことにより、事業者の新事業展開、経営革新、経営効率化を図るための組合です。

出典:中小企業庁ホームページ(http://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq08_kumiai.htm)

事業協同組合は、組合員のために各種事業を共同で行うことを目的として設立されており、監理事業を担当する職員は組合に出資している企業に対して、厳しい姿勢で臨めていないようです。似たような構図としては、会社の親睦会の会計監査を平社員に担当させているようなものでしょうか。上司が行っている親睦会費のちょっとした流用を指摘できるでしょうかね。まぁ、できないでしょう。

 監理団体の中には、外国人技能実習受け入れ事業を行うために事業協同組合を立ち上げたところも多いようです。組合員の相互扶助の精神に基づいて運営していればいいのですが、そうではないところもあるので、不正行為が多く確認されているのでしょう。

  まとめますと、団体監理型技能実習は、営利を目的としない監理団体が実習実施者に対して指導・監督をしながら、技能実習を行わせる形態ですが、監理団体がその役割を果たしていないところに問題があるようです。

監理団体
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